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明確に、チャン・ドンユン
2021.12.16

韓国雑誌「Marie Claire Korea」のサイトにドンユンさんのインタビューが
掲載されていましたので皆さんにご紹介します。

<スタッフ翻訳文>
明確に、チャン・ドンユン

仕事を見つめる明確な視線。チャン・ドンユンが考える演技という仕事。

Q. ドラマ『サーチ(仮)』以降の動きが気になっていましたが、
その次がアニメーションだとは全く予想できませんでした。


A. アニメーション『テイル(仮)』で主人公「チョン・テイル」の声を演じました。
声だけでキャラクターを表現しなければならないという点で、新しい挑戦の作品でした。
表情や身振りなしに声だけで演技するのは難しいんです。
困り切った感情を声で表現したり、椅子に座る場面に「ウッシャ」と声を入れるのが
少し慣れなかったんです。しかも、実在の人物を演じなければならなかったので、
序盤はチョン・テイルという人物の声に対してかなり悩みました。
けれど、この作品は新しく作った創作物だから、実際の人物に追いつこうとするよりは
自分の声で自分なりに表現するのが筋だと思いました。
幸いにも監督も僕が準備した様々な試みを、広い心で受け入れてくれて、
チョン・テイルという人物に対する負担を減らして演技することができました。

Q. チョン・テイル烈士についてかなり研究したという話を聞きました。
探求して演技をしながら推測したチョン・テイルはどんな人物でしたか?


A. 格別な人ではないと思いました。
あまりにも劣悪で厳しい環境の中で不当な待遇を受けながら労働していたので、
当時の労働者たちの感情はみんな似ていたはずです。
ただテイルは一歩先んじて動いただけです。

Q. 今も記憶に残ってるテイルの言葉はありますか?

A. 「僕と向かい合ってシャベルを使っていたおじさんは背が高くて、お腹がでている人だった。
油で汚れた帽子を被っていたんだけど、いつの間にかおじさんは見えなくて、
帽子しか見えないんだ。まるで帽子が仕事をしているようだった。
この暮らしの中で人たちは自分の帽子にも劣る存在になってしまったんだ。
僕はどう見えるかな?僕の古いスニーカー?それとも破れたズボンを履いた
痩せっぽちの青年として記憶されるのかな?」
テイルが友達に送った手紙の内容なのですが、この文が今も心に残っています。
黙々とみんなのように仕事ばかりしていたテイルさんが、労働者の人生について考察し、
動くきっかけが盛り込まれた手紙ではないかと思います。

Q. 一つの作品を終えれば何でも残るものがあるものです。
『テイル(仮)』を終えた後、どんなものが残ったと思いますか?


A. アニメーションで声を演じた経験より、この作品の持つ意味がもっと大きく残りました。
実在の人物を掘り下げる作業をしながら俳優として学んだことが多いです。
多分アニメーションではなくどんな形であっても、
チョン・テイルという人物を扱った作品なら参加していると思います。

Q. チョン・テイルという人物とどのような接点を感じましたか?

A. 単純に大邱出身でソウルに来て働き、普段から文を書くのが好きだったという
接点もありますが、それより情緒的に似ていると思いました。
自分の考えを表す手段として文章を選んだ点もそうですし、
文章に表れた考え方で接点を感じました。
僕だけが特別に感じたわけではないかもしれませんが。

Q. 『テイル(仮)』に参加しながら書いた文もありますか?

A. 俳優として作品をするために文章を書いたことはありません。
文は個人的な部分で仕事とは関係ありません。僕はそうです。

Q. 文章を書きながら考えることが演技に影響を及ぼすようですが、
全く別の領域に置く方みたいですね。


A. 普段思いつくことがあれば、詩やエッセイを書き、たまにシナリオも書くのですが、
演技とはまったく別物だと思います。僕の場合はむしろ相反する部分が多いです。
演技がシナリオを土台に演出者の考えを表現するのなら、
文は完全に僕が作り出す創作の領域です。
あえて接点を探すと、何かを表出するという点くらいです。
幼い時から表現する仕事をしたかったんですよ。
けれど、文章と演技はやり方が全く違います。

Q. 文章を書きながら自分を完全に表現する方だとしたら、
演技する時はどの程度、表に出す方ですか?


A. 監督の要求によって変わります。
ドラマも映画も俳優でもなく演出者の作品だと思います。
だから監督の要求に合わせるのが俳優の役目でしょう。
作品によっては自分の持っている姿を思う存分表に出したり、
逆に自分を排除する時もあります。

Q. どちらがより楽しいですか?いずれにしても自分を表す方だと思いますか?

A.もちろん、茶目っ気たっぷりで間抜けな面もある自分自身をそのまま表出しましたが、
それが面白い形で現れると楽しいですね。
けれど、反対の方式で感じるスリルもあります。
柔らかくてコミカルな作品ほど自分が多く盛り込まれ、重くて強い作品ほど
作り上げる部分が多いです。今撮影中の映画『オオカミ狩り(仮)』は
極端に自分を消し、新しい人物を作り出す方式で演技しています。

Q. これまで演じた人物とのギャップが大きい方ですが、
2つの方式を行き来することを楽しむ方ですか?


A. そうみたいです。そうしなければならないと思います。
サッカー選手でいえば、シュートだけがうまいというよりは守備もし、
パスも上手なマルチプレイヤーでなければ監督に呼ばれない可能性が高いです。
僕も俳優として武器を多様に取り揃えておこうとしきりに試みています。

Q. 数年前のインタビューを調べてみたら、アクションと夏の香りがする青春メロドラマを
やってみたいと話していました。新作『オオカミ狩り(仮)』はアクション、
『ロングディ(仮)』はメロドラマだから結局全てやり遂げたわけですね。


A. まだ新米なのでするべきことが多いです。ずっと道場破りをしないとです。

Q. 道場破りの最後はどんな物に出会いたいですか?ラスボスでしょうか?

A. ラスボスがいますか?全てのジャンルを経験したとしても終わりではないんです。
ずっと経験値を積んでおき、どんなジャンルであれ、人物であれ、僕の前に現れた時、
それに合致するように上手くやっていきたいと思います。
あの俳優はアクションは似合わない、メロはちょっとぎこちない、コミックができない、
こんな風にだめだと言われると悲しいですね。その分仕事がなくなるんじゃないですか(笑)

Q. 俳優が仕事ができるということはどんなことでしょうか?

A. いつからか心構えが変わりました。大したことではないという方にです。簡単に言えば、
創作者の意図を正確に表現するのが俳優の役目ではないかと思います。
僕は現場でできるだけ創作者の領域を邪魔しないようにしています。
それを絶対原則として現場に行きます。

Q. たまに付け加えたいアイディアが生まれるじゃないですか。
主観と直観が積み重なって完成するものでもありますから。


A. 作品に役立つアイディアだと100%確信すれば言いますが、
ある程度正解は監督が知っていると思って演技します。
もちろんたまに「なんでこうやって表現しろって言うんだろう?僕はこうしたいのに?」と
思う時もあります。でも後で見ると、そうしてほしいということにちゃんと理由があるんです。
とにかく俳優はモニターの後ろにいて、監督はモニター前で大きな絵を描くじゃないですか。
それぞれの場所で、1番うまくできる仕事をするんです。

Q. 演技に対する姿勢と基本が明確に見えます。満足の指標も明確ですか?

A. 監督に気に入られる傾向があります。ただのオッケーじゃなくて、
爽やかに「オッケー!いい!」という言葉が出るとスカッとします。
「僕が意図に合わせてやれたんだな」という満足感。
そういう楽しみでこの仕事をしています。だから僕は信頼が重要です。
ある意味この仕事は信頼を築いていく過程でもあるでしょうね。

こちらからインタビュー本文と写真がご覧いただけます。

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